卒業生からのメッセージ

角金 玄第1期生

ゆすはら地域おこし協力隊になったきっかけは?

元々アウトドアスポーツが好きで、週末には山登りやキャンプ、サイクリングなどを楽しんでいました。以前住んでいた岡山県での生活には特に不満はありませんでしたが、自然に囲まれた山暮らしに憧れがありました。移住先を探している中で梼原町を知り、豊かな自然環境に惹かれました。さらに、地域おこし協力隊として地域に貢献できる機会があることを知り、移住先での収入源として地域おこし協力隊に応募しました。

任期中の活動を振り返ってみて思うことは?

林業に関する資格や免許をすべて無料で取得できたことが良かったです。さらに、ゼロから林業を学ぶ過程で複数の事業体で研修を受けることができ、自分に合ったスタイルを見つけることができました。一方で、私が地域おこし協力隊の初メンバーだったため、最初はReMoriや行政も含めて手探り状態で進めることが多かったですが、活動を重ねるうちにサポート体制や内容が明確になり、今ではスムーズに活動できるようになったと感じています。

梼原町で起業した決め手は何ですか?

移住当初から会社等への就職は考えていませんでしたが、地域おこし協力隊として活動する中で、林業に関する技術や知識を深めました。特に、危険な場所での伐採を行う特殊伐採の技術に強い興味を持ちました。地域の中でのニーズや自分の得意分野を見つけ、独立することを決めました。実際に任期中に特殊伐採を行うための資格や技術を習得し、地域の人々と信頼関係を築きながら、独立準備が整ったと感じています。

協力隊を経て起業をするメリットは?

起業に必要な資格や免許を取得できる機会が与えられるため、自分の目指す分野に必要なスキルを効率的に身につけることができます。また、県内外への視察にも参加できるため、他地域の成功事例や取り組みを学び、自分のビジネスに活かすことが可能です。このような学びの機会が3年間にわたって提供されることで、起業に向けた準備を十分に行うことができ、実際のビジネスに必要な知識と経験を積むことができる点が大きなメリットです。

現在のお仕事について

特殊伐採を仕事にしています。主に、道路沿いの支障木や住宅地、寺社仏閣など、一般的な伐採方法では対応が難しい場所で作業を行っています。この仕事では、木を倒す場所や方向を慎重に計算し、ハーネスやロープ、クレーンを使って木を安全に剪定・伐採します。

今後の目標は?

特殊伐採の技術をさらに高め、より高度な作業をこなせるようになることです。現在、特殊伐採一本で生計を立てていますが、これからはさらに難易度の高い作業に挑戦し、より安全で効率的な伐採技術を習得したいです。また、作業の幅を広げるために、最新の機器や技術を積極的に学び、地域の安全を守るために貢献できるようなスキルを身につけたいと思っています。

下村 智也第2期生

ゆすはら地域おこし協力隊になったきっかけは?

梼原町は祖母の家があり、毎年夏休みに兄弟で訪れ豊かな自然や地域の方々の温かさに触れながら、かけがえのない時間を過ごしました。社会人になった後もその記憶は色あせることなく、町のために何かできないかと考えるようになり、町おこしや地方創生の動きに共感するなかで、起業を通じた地域活性化への思いが強まりました。そして2021年、第一子の誕生を機に広島県から梼原町へ移住し、幼少期に親しんだ森林を守るため、地域おこし協力隊に着任しました。

任期中の活動を振り返ってみて思うことは?

ゆすはら地域おこし協力隊に着任して良かった点は、 林業に関わる免許の取得や技術の習得はもちろん、それだけにとどまらず、森林づくりの川上・川中・川下のあらゆる分野で、自分が関心を持ったことに挑戦できる環境が整っていたことです。また、梼原町の森林づくりに共感し、支援してくださるさまざまな業種の森林環境先進企業の方々と出会い、新たなチャレンジができたことも大きな魅力でした。悪かった点は、 充実しすぎて時間がまったく足りなかったことですね(笑)

梼原町で起業した決め手は何ですか?

活動のなかで、梼原町の魅力や可能性を新たに実感しました。森林資源や環境先進企業とのつながりを生かしながら地域に貢献できる道を模索するうちに、自分にできることが見え、それを形にするために協力隊の活動外で仲間と組織を立ち上げた経験が、事業を展開する自信につながりました。卒業後も支援制度が充実しており、地域の方々の温かい応援があったことも、梼原町での起業を決めた大きな理由です。

協力隊を経て起業をするメリットは?

最大のメリットは、地域とのつながりが深まることです。協力隊の活動を通じて地元の方々との信頼関係が築け、行政や企業とのネットワークも広がりました。また、地域課題に触れる中でビジネスのヒントを得ながら実践的な経験を積み、起業の準備を進めやすくなりました。さらに、住宅補助などの支援制度を活用し、生活基盤を整えながら挑戦できる環境があったことも後押しとなり、スムーズに起業へと踏み出すことができました。

現在のお仕事について

全国的に育林従事者が減少し、管理されていない森林が増えるなかで、私が梼原町に移住したときも、育林従事者は町内にわずか2名しかおらず、この現状を変えたいという想いから、造林・育林事業を基軸とした『KIRecub(きりかぶ)』という会社を協力隊期間中に設立しました。現在は植生豊かな森林を未来に残すため、日々、山で植林作業を行っています。また、林業×○○による異業種とのコラボレーションを推進し、従来の林業の枠にとらわれない新しい働き方を模索しながら、持続可能な森林と地域をつくることを目指しています。

今後の目標は?

目標は、『林業から広げる地方創生』ですね。
高齢化が進む林業界のなかで、森林率91%を誇る人口3,000人の小さな町・梼原町に、若い移住者たちが集まり、林業を通じて新たな面白い挑戦を始めている。従来の林業のイメージを超えた新しい姿を生み出し、地域に変化をもたらしたいなと考えています。私たちKIRecubの一つひとつの行動が波及効果を生み、地域を巻き込みながら梼原町を盛り上げていく。そして、こうした取り組みが移住者や関係人口の増加につながり、より活気ある町へと成長していくことを目指しています。